先日の久々の里帰りで、和室の畳が新しくなっていたのに気づいたのですが、今までとどうも様子が違います。マジマジ畳を見て触り、尋ねるとまだ畳替えして1か月くらいだといいます。
「めちゃきれいだけど、畳のあのニオイしないな」
畳替えしたときのあのイグサ独特な匂いがしません。
厳密にはあの匂いはイグサだけの匂いではなく、乾燥したイグサと泥が混ざりあって出させる匂いです。
新調畳の匂いを鼻いっぱいに吸い込む瞬間、心が落ち着いてきて、日本人だな~と思うのですが、それが全く感じられない、、、
母が「あ、これイグサ畳じゃないのよ、『和紙畳』っていうの」
え、紙?!
和紙と言っても見た目は普通の畳と同じようだし、素人には触り心地も変わりません。
でも、この和紙畳はメリットが多く、畳屋さんによると若い人やペットを飼っている人に需要と人気があるようです。
若い人に人気なのは、畳の柄や縁のイメージが家の雰囲気と合わせにくいという点を、豊富なカラー展開と、縁もカラーや柄が豊富に選べるようになって、縁なしですっきりとした見た目にできるなど、ニーズに合わせやすくなったことが理由のようです。
あと室内でペットを飼う人に人気の理由は、この和紙畳は犬や猫の爪のひっかきキズに強いので、畳が傷みにくく、耐久性に優れているので長持ちすることと、はっ水性もあるので、水分や汚れが畳に浸透しにくいので、動物の粗相の際もさっと手入れできるからです。
実家がこれを選んだ理由も、古くなった畳の上で洗濯ものをたたむと、洋服やタオルにたくさんの畳ゴミがついてしまい、それが母には毎日のことでストレスだったようです。
この和紙畳なら、ササクレが出にくいのでいいですし、ダニやカビの発生がイグサに比べて少ないということもあり、こちらにしたのです。
「そうなんだ、どうせ変えるなら、今までにない色にすればよかったのに」
と言ったのですが、母は「やっぱり畳らしい見た目がいいかなと思って」と言っていました。
日本家屋にはどの家も昔は畳の部屋があり、畳ありきの間取りが普通でした。
それが時代の流れで、今では和室がない家も多いと聞きます。
日本従来の畳のイグサも今は8割が中国産、あとの2割が熊本産なのですが、あの大きな地震でこの貴重な国産イグサがどうなっているのか心配ですが、今畳は「TATAMI」として外国人にも注目されていますので、日本文化の1つとして形にして残っていけるといいと思います。