2021年5月時点で30%にとどまっていたマイナンバーカードの普及率ですが、2023年2月時点では70%を超えています。
そんな急速に普及が進んだマイナンバーカードですが、所持していない方はもちろん、所持している方のなかにも、マイナンバーカードの使い方をきちんと理解していない方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、マイナンバーカードでできることからデメリット、申請方法までご紹介します。
目次
マイナンバーカードってなに?
そもそもマイナンバーカードは個人番号(マイナンバー)が記載された身分証明書のことを指します。
マイナンバーカードという愛称で呼ばれていますが、正式な名称は「個人番号カード」です。
日本に住民票を持つすべての人に12桁の番号が割り振られ、行政の効率化や国民の利便性を高めるために作られました。
マイナンバーカードに記載される内容は以下のとおりです。
【表面】
• 本人の顔写真
• 氏名
• 住所
• 生年月日
【裏面】
• ICチップ
• マイナンバー
マイナンバーは「個人番号を証明する書類」や、本人確認の際の公的な「本人確認書類」として利用可能です。
また、さまざまな行政サービスを受けることができるICカードとして活用することもできます。
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マイナンバーカードのメリット
マイナンバーカードでできることは数多くあり、さまざまな手続きを効率的に進められるようになります。
メリット1.身分証明書になる
マイナンバーカードの大きな機能として、身分証明書の役割を持つことが挙げられます。
「マイナンバーの証明」のほか、「顔写真付きの本人確認書類」として、さまざまなシーンで役に立つでしょう。
以前までは保険証や免許証、住民票、パスポートなどの身分証明書が一般的でしたが、これからはすべてマイナンバーカードで証明することができます。
2020年2月4日以降に申請されたパスポートは本人確認として使用できなくなったため、運転免許を保有していない方にとっては、より重宝されると考えられます。
マイナンバーカード以外にも、「通知カード(現在は廃止)」や「個人番号通知書」にマイナンバーが記載されていますが、あくまで「通知」にすぎないため公的な身分証明書としては使えません。
マイナンバーの通知カードやマイナンバーが記載された住民票と身分証など、複数の書類提出が必要になります。
メリット2.健康保険証として使える
マイナンバーカードは身分証明書だけにとどまらず、2021年10月から健康保険証としての役割も担いはじめました。
医療機関での診察や薬局での処方箋受付に健康保険証の代わりとしてマイナンバーカードを使用できます。
マイナンバーカードの所持者が使用できるサイト「マイナポータル」では、処方された薬の情報も確認できるなど「お薬手帳」としても役立ちます。
これまで健康保険証は就職や転職、引っ越しの際に変更する必要がありましたが、マイナンバーカードは継続して利用可能です。
2023年4 月時点では、健康保険証としてマイナンバーカードを使用できる医療機関は1部ですが、政府は「2024年の秋に、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一体化する」という方針を発表しており、対応機関はこれからどんどん増えていくでしょう。
メリット3.コンビニで公的書類が取得できる
コンビニで各種証明書が手に入る点も、窓口に行く時間を作れない人にとって大きなメリットです。
各種証明書とは、住民票の写や戸籍証明書、印鑑登録証明書などの公的な証明書を指します。
通常各種証明書を発行するときは、市区町村窓口に出向いて手続きが必要です。
しかし、マイナンバーカードを取得すると、自宅の近くにあるコンビニから簡単に入手できるようになります。
平日・土日・祝日も含めた朝6時30分〜夜23時まで公的書類の発行を受けられるため、土日休みの方や遅くまで仕事がある方も、わざわざ仕事を休むことなく手軽に取得可能です。
メリット4.行政サービスをオンラインで申請できる
マイナンバーカードを保有していると利用できるサイト「マイナポータル」から、さまざまな行政手続きをオンラインで申請できます。
具体的に利用できるサービスは自治体によって異なりますが、主に以下のサービスが代表的です。
• 妊娠の届け出
• 児童手当の認定請求
• 出産育児一時金
• 婚姻の届け出
• 保育施設の利用申し込み
自治体によっては数十件もの行政サービスの申請が可能になっており、公的書類の発行と同じく自宅で手続きが完了できるところが嬉しいポイントです。
マイナポータルはパソコンだけでなくスマートフォンのアプリも配信しています。
メリット5.マイナポイントがもらえる
CMや広告などで目にする機会の多い「マイナポイント」ですが、これはマイナンバーカードの申請によって貰えるポイントです。
2023年4月現在は「マイナポイント第2弾事業」として、最大20,000円分のマイナポイントが貰えます。
マイナンバーカードの取得申請手続き:最大5,000円分
健康保険証としての利用申し込み:7,500円分
公金受取口座の登録完了:7,500円分
「公金」という言葉に耳馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
公金とは、漢字のとおり、公(おおやけ)の性質を持つ金銭のことで、具体的には緊急時の給付金や年金、児童手当、所得税の還付金などが当てはまります。
公金受取口座を登録しておくことで、国や地方自治体から給付金を受け取るときに預貯金口座情報の提出や行政機関での確認作業が不要になり、スムーズに受取が可能になるわけです。
メリット6.地方自治体サービスを受けられる
マイナンバーカードは国だけでなく、地方自治体によるサービスを受ける際にも大きく役に立ちます。
例えば、図書館カードの代用としてマイナンバーカードが利用できたり、公共施設や健康診断の予約ができたりと、幅広いシーンで活用できるようになっています。
マイナンバーカードの活用シーンは地方自治体によっても差があるため、ぜひ自分の住んでいる地域ではどのように利用できるのか確かめてみてください。
マイナンバーカードのデメリットや注意点
行政手続きを効率化できたり、証明書として利用できたりと幅広いシーンでメリットのあるマイナンバーカードですが、セイキュリティリスクや紛失リスクを不安視している方も多いでしょう。
基本的にマイナンバーカードのデメリットはありませんが、注意しておきたい部分はあります。
デメリットやリスクをふまえ、発行や使い方を検討してみましょう。
セキュリティ面の不安
マイナンバーカードを申請するときは4桁の暗証番号が設定しますが、この番号が人に伝われば他人に悪用されてしまうのではないか、とセキュリティ面の不安を持つ方も一定数います。
もちろん暗証番号を単純なものにしないことはもちろん、他人に知られないように徹底した管理は必要です。
それでも万が一のことを考えると、マイナンバーカードの申請を躊躇してしまうという方もいるでしょう。
そこでご紹介したいのが、マイナンバーカードのセキュリティ対策についてです。
マイナンバーカードには万が一のリスクを考え、さまざまな対策が施されています。
• 偽造:文字をレーザーにより彫りこむとともに、複雑な彩紋パターンを施す
• ICチップ:必要最小限の情報のみ記録(税関係情報・年金関係情報などのプライバシー性の高い情報は記録されていない)
• 暗証番号:電子証明書ごとアプリごとに暗証番号を設定
• 国際標準:セキュリティの国際標準である「ISO/IEC15408認証」を取得
また、暗証番号は入力を一定回数以上間違えると自動的にロックされるようなシステムになっています。
国民一人ひとりの個別番号を証明するマイナンバーカードは、国もセキュリティにかなりの力を入れているようです。
紛失時の情報漏洩リスク
マイナンバーカードはカード型のため紛失のリスクがあります。
マイナンバーカードには氏名だけでなく、住所や個人番号などの個人情報が記載されているため、情報が漏洩、悪用されてしまう可能性は0ではありません。
顔写真付きのため第三者が容易になりすますことはできませんが、ICチップを利用される恐れがあります。
そこで覚えておきたいサービスが「個人番号カードコールセンター」です。
万が一、紛失した場合、コールセンターに電話で連絡すればカードの一時停止措置が取られ、カードの第三者によるなりすまし利用を防止できます。
コールセンターは365日24時間いつでも受付可能です。
このように、紛失や情報漏洩に対する対策もあり、マイナンバーカードは安全性の高い制度だと言えるのではないでしょうか。
マイナンバーカードの申請方法/h2>
マイナンバーカードの申請方法は、オンライン・郵送・証明写真機の主に3種類です。
それぞれの方法を見ていきましょう。
オンライン申請
オンライン申請では、パソコンまたはスマートフォンから手続きが可能です。
自宅で手続きを完了できるため、手軽に申し込みたい方や自分で写真を撮りたい方に適した方法と言えます。
1.「マイナンバーオンライン申請サイト(https://net.kojinbango-card.go.jp/SS_SERVICE_OUT/FA01S001Action.do)」にアクセス
2.メールアドレスを登録する※※第3土曜日0:00~8:00は定期メンテナンス
3.顔写真を登録する
4.申請情報を登録する(生年月日・電子証明書の発行希望の有無など)
郵送による申請
必要事項を記入して、申請書と写真を郵送する方法です。
ネットからの申請が不安な方や操作が苦手な方におすすめです。
1. 交付申請書を記入する(必要事項を記入して顔写真を貼り付ける)
2. ポストに投函する(送付用封筒に入れて投函する)
まちなかの証明写真機から申請
意外と知られていませんが、街中にある証明写真機からもマイナンバーカードの申請ができます。
申請ができる機械は限られているため、該当の機械かどうかを事前に確認しましょう。
1. 個人番号カード申請モードを選択してお金を入れる
2. 画面の案内に従って必要事項を記入する
3. 顔写真を撮影する
まとめ
以上、マイナンバーカードについて解説しました。
マイナンバーカードはあらゆる行政サービスの手続きを簡略化できる利便性の高い制度です。
セキュリティ面や紛失リスクに不安のある方もいますが、紛失時の対応や各種対策によって安全性も高く、保有するメリットは大きいと言えるでしょう。
この機会に、ぜひ申請や便利な使い方をしてみてはいかがでしょうか。